現役上智大生による「英語長文問題精講」のススメ

現役上智大生による「英語長文問題精講」のススメ

上智大学英文学科2年生です。自分が受験生時代に使っていた「長文問題精講」について紹介します。本書の特徴、長所・短所、筆者が使用していた時期と成績の推移、オススメの勉強法について述べていくので参考にしてください。

こんにちは。上智大学英文学科2年です。今回は僕が高校時代に愛用していた長文問題集、「英語長文問題精講」について紹介します。

この参考書の特徴

長文問題精講の特徴として挙げられるのが、文章の質・難易度と訳語の質が非常に高いところにあり、また問題数も、前期20題・中期20題・後期20題に重要類題(短文)40題を加えて計100題によって構成されているところにあると思います。どの長文も過去に出題された入試問題から精選されたものであり、学習者のペースを考慮し3つのパートに分かれています。論説・評論・小説・随筆など各種の文章がバランスよく散りばめられており、長文の内容も、特定の分野に偏ることがないように考慮されているため、読解力が向上するだけでなく、長文で扱われた多岐にわたるトピックを背景知識として蓄積することも出来ます。この参考書をやり通して良かったと思った点としては、まずとても自学がしやすいという点、入試問題の英文を読むに当たって非常に役立つ知識を得ることが出来るようになった点、そして構文を正確に把握し解釈しながらも高尚で正確な訳語をあてることが出来るようになった点が挙げられます。
ディスプレイとしては、一つの設問につき4ページ構成で、見開き1ページ目の左側に長文が載っていて、右側に設問が並んでいます。見開き2ページ目の左側には語句一覧と重要構文・重要表現の解説があり、右側は全文訳が載っています。僕個人としては、コンパクトで持ち運びやすいうえに、非常に見やすく学習しやすいディスプレイだと感じましたが、同時に余白があまりないので何か書き込もうと思ったときに困ったこともありました。解答・解説に関しては付属の薄い別冊に記載してあります。

この参考書の長所・短所

長所

特徴の欄で書いたように、レベルの高い文章を読むことで読解力や日本語のレベルが向上するのみならず、応用度の高い思考力や活用度の高い知識が身につく点が特筆すべき長所であると思います。
さらに詳しく長所について紹介していきましょう。
1点目。一般的な長文問題集の中には、一つの大学で出題されたものを改題して出版している問題集が多く見受けられます。ただ、「長文問題精講」は過去20年で複数の大学で出題された問題で構成されているので、他の問題集に比べてより出題頻度を考慮していると思います。
2点目。特徴でも触れた重要類題についてです。先ほど詳しくは言及しなかったのですが、この重要類題は、前期・中期・後期60題で扱われた重要な文法や文構造の解釈を確認するためのものです。用いられているのは短文ですが、これを解くことで長文で登場した文法を確認することができるので、一度で定着させることが苦手な方にはいいかもしれません。
3点目。単語や熟語学習についてです。皆さん、おそらく長文読解は長文読解として学習して、同時並行で語彙力を上げるために単語は単語帳で学習しているかと思います。その学習法は間違っていないでしょう。ただ、この「長文問題精講」を使う際は例外です。載っている長文で出てくる単語や熟語はどれも大学受験をするうえでは必要なものばかりです。しかもその単語・熟語が注釈つきで解説されているのです。これは覚えない手はないでしょう。問題を解き、答え合わせをして、解説を読み終えたあとのもう一踏ん張りです。ぜひ丁寧に単語まで覚えてください。受験生になったときに必ず役に立つでしょう。
これで最後です。4点目。訳語のレベルの高さです。この参考書の著者である中原道喜氏、本当に素晴らしい訳をされます。「長文問題精講」は旺文社から出版されているのですが、シリーズものです。他にも中原氏が手がけた参考書(後日紹介します!)がありますが、どれも訳語が圧倒的に良いです。自分は現在英文学を学んでいる大学2年生ですが、高校生のうちに中原氏の訳・高尚な日本語に触れることができて良かったと心から思っています。受験生時代にも英文和訳の問題を解くたびに感謝していました。皆さんにも早くから触れて、自分が味わった気持ちを味わって欲しいと思います。

短所

ここまで、 長所をひたすら書き並べてきましたが、どんな参考書にも欠点はあります。「長文問題精講」にもです。言ってしまえば、美点・欠点は人それぞれで違います。ここでは、世間一般的に言われている、この参考書の短所について述べます。
1点目。設問に関してです。正直言うと、この参考書に載っている設問は今の入試傾向にはそぐわないと思います。国公立大学を志望する方にとっては役に立つ設問だと思いますが、多くがマーク式を採用している私立大学を志望する方には解く必要がないと言われてしまえば、それは否定できません。ただ慶應義塾大学や早稲田大学のなかには、オールマーク式ではない学部も多くありますし、おそらくこの記事を読んでいる方は今現在難関私立大を志望している方、もしくは将来的に志望する方だと思うので、この点は杞憂でしょう。
2点目。僕の友人も言っていたのですが、解説が雑すぎるという点です。これについては正直同意せざるを得ません。ただ、そもそもこの参考書は非常にレベルが高いです。下の欄でも述べますが、これを使って学習するにはあらかじめある程度の実力があることは前提となります。高みを目指す人が使う参考書です。高みを目指すのであれば、何もかも解説に頼るのではなく自分の頭で考えて解決することにも努めるべきだと僕は思います。解説がないというわけではありません。もしどうしても解説が必要ならば、学校や塾の先生に聞けばいいと思います。厳しいことを言ってしまいましたが、楽な道ばかりを通っていては実力をつけることはできません。この短所を上手く使って実力を伸ばして欲しいと思っています。

この参考書をオススメするレベル

学年は関係ありません。中学3年生であろうが、高校3年生であろうが、「高校で扱われている文法事項を一通り学習済みであること」と「ある程度(英検2級レベル~)の単語力がついていること」と「1冊でも長文問題集をやりきったことがあること」が前提となります。
難関国公立大を志望する方は勿論ですが、早慶上智ICUなど難関私大を志望する方にも是非ともやってもらいたいです。英語が苦手な方や嫌いな方には残念なお知らせにはなりますが、大学に入ってからもTOEICやTOEFLなどを受験することになるので、英語とは付き合っていくことになります。そういった意味でも一度はやっておいた方がいいと思います。

実際著者が使っていた時期と成績の推移

僕自身が使っていた時期と成績の推移を示しておきます。

時期と学習ペース

高校3年の4月から12月まで使っていました。全部で4周はしました。1周が60題(重要類題を除く)なので、1日1題で月30題を8ヶ月間続けました。

成績の推移

僕の場合は幼少期の海外経験もあって、高校1年のときから英語の偏差値は70を越えていたので、あまり参考にはならないかもしれません。
<使用前 >
高校2年10月全統記述模試偏差値75
高校2年1月 センター試験198点
<使用後>
高校3年10月全統記述模試偏差値78.5
高校3年1月 センター試験200点

オススメするレベルの欄でも述べましたが、ある程度の実力がついてから使った方が良いでしょう。

この参考書が難しすぎる高校生は→基礎英語長文問題精講

この参考書を使ったオススメの勉強法

精神論的な話にはなってしまいますが、挫けずに根気よくやり続けることだと思います。受験生時代、僕の周りの多くの友人がこの参考書に取り組みましたが、その多くが挫けそうになっていました。ただ、そこで挫けずに前だけを向いて完遂することができれば、その時に自身の成長を認識することができると思います。学習方法としては、長文を読んで設問を解く。ただこれだけです。1周目は恐らくしんどいと思うので、時間をたっぷりかけて取り組んでみてください。そして丁寧に訳語・解説を読んでください。2周目からは少し時間を意識して解いてみてください。復習は丁寧にやりましょう。ペースは1日1題がオススメです。毎日やることで、逃げ出したいという気持ちが生まれる前に、リズムを作ってしまいましょう、日課にしてしまえば、あとはもうやり続けるだけです。

最後に

いかがだったでしょうか。「長文問題精講」の魅力が伝わっていればいいなと思っています。
高校時代のこの参考書に取り組んでいた時期のことを思い出して、途中は思わず熱くなってしまいました。この世に参考書は五万とあるので、自分が使い易いもの、好きなものを見つけて取り組むのは大切なことです。なので、是非とも一度「長文問題精講」を手にとって、さっと目を通してみる。ここまではして欲しいです。その後、使うか使わないかを決めるのは皆さんの自由です。この紹介が、間接的にでも皆さんの英語学習の役に立てば幸いです。

関連する記事

この記事のキーワード

この記事のライター

Thumb 33c670e7 4106 4943 9dcd b52d61204459

すーさん

一橋大学落ち上智大学英文学科の2年生。 集団塾・個別指導塾での指導経験有り。現在は某家庭教師の会社でVIP会員様の指導にあたっており、時には全国の生徒さんの受験に関する相談にも乗る。受験生の立場から見て有益な記事を書いていきます。

カテゴリー 一覧