大学の「政治学科」って何をやってるの?どんな学生に向いているの?

大学の「政治学科」って何をやってるの?どんな学生に向いているの?

受験生のよくある疑問として、「政治学科ってよく見るけれど、実際何やっているんだろう?」的なものがあると思います。今回は、受験生にありがちな「政治学科」についての質問を紹介しながら、「政治学とはどのような学問なのか」ということ、そして「どのような高校生に向いているのか」ということについてお話したいと思います。

はじめに

多くの高校生にとっては、「大学の政治学科って何をやっているかよくわからない。政治家にでもなるの?」といった疑問があると思います。当記事では慶應の法学部政治学科を踏まえながら、政治学科全般にありがちな質問について回答します。また、政治学科に在籍する学生としての立場から、「どのような高校生におすすめか」ということについて伝えられたらと思います。

よくある質問

「政治学科?じゃあ卒業生は政治家になるの?」

それは間違いです!
「政治」に関連する課外活動(例えば、『法律・政治勉強会』的なサークルや、NPO法人のインターンシップ、学生会議といった学生団体など)をしている学生は一定数いますが、本気で「政治家」という職業を志す学生はほんの一部です。多くの政治学科生は卒業後、民間企業へ就職あるいは公務員(国家公務員・地方上級公務員等)になる人が多いです。

「政治学って、新聞とかTVニュースみたいな政治・社会問題とかを詳しく勉強するの?」

半分正解で、半分間違いです。政治学科が取り扱うのは、あくまで「学問」としての政治です。つまり、これまでの政治学者達の残してきた「理論的蓄積」を学んでいく形になります。また、一口に「政治」と言っても、その定義は非常に多様であり、様々なアプローチから研究を行うことができるのです。
例えば、社会学や経済学、統計学などとリンクしながら「理想的な社会保障政策」「国際政治・戦争・外交の事例研究」「選挙制度の在り方」などについて理論的に分析を重ねて研究するようなものもあれば、哲学や歴史学などと併せて「政治思想史」「政治哲学」のような"人間とは何なのか、そして人間がつくりだす『政治』とは何なのか"といった抽象的なことについて熟考を重ね、新たな理論を創出するようなこともできます。
これらもほんの些細な例であり、他にも多くの学問領域とリンクしているため可能性が無限大に存在する学問であるといえるでしょう。その意味で言えば、「政治家の献金問題」や「○○党が大勝して、△△氏が党総裁になった」といったようなニュース的な話題は「政治学」の基礎を勉強している時にはあまり触れることはありません(もちろん、学んできた理論をベースに、卒業論文としてそのような事例の研究をすることはできますし、例えば慶應の政治学科のように、「ジャーナリズム研究」ができる大学もあります)。

全体的に「堅い」学問であることは否めませんが、ひたすら暗記するような勉強はやりません。
自分の経験や直感を生かしながら「正義」や「人間」について問いを立て、深く考え、結論を編み出す力が身につく"自由な学問"だと思います。

「大抵の大学は法学部の中に法律学科と政治学科があるけど、違いは?」

法律学科は四年間を使ってしっかり「法律」について勉強します。
政治学科は「法律」にも基本知識として触れますが、基本的には「政治学」一般について勉強します。

例えば、慶應の政治学科の場合「法律学」も必修科目としてやりますが、あくまで「概論」にとどまっています。2014年度入学の政治学科生は、一年時では「法学概論」と「憲法」が必修科目ですが、二年時には選択必修科目として「刑法」「行政法」「国際法」などのいずれか1つを選んで履修する程度で、メインはやはり「政治学」の授業です。

また、慶應の政治学科では、カリキュラムが
①政治・社会論
②日本政治論
③国際政治論
④地域研究・比較政治論
⑤政治思想論
の5つに分かれています。

学生は、この5つの分野の講義をバランスよく履修して、基礎の理論について学びます。
3年次から参加できる「研究会(ゼミナール)」も、この5つの分野に分かれています。とはいえ「政治学」は基本的に様々な学問領域とリンクしやすいので、全ての講義や研究会が①~⑤の分野のジャンルにとらわれすぎているわけでもありません。実際、①の分野では「政治・社会」と関連させながらもむしろ「経済学」の理論を用いた研究をするようなゼミが設置されています。

政治学科が求める学生像

高校の「日本史・世界史」や「倫理・政経」が好きな学生にとっては、非常にオススメで面白いことだらけだと思います。
特に慶應法学部入試の小論文にも顕著に現れていますが、どの大学のどの政治学科も「主体的に考え、興味を持ち、意見をつくる」ことが好き、或いはそのような知的作業をしてみたい高校生に非常に向いていると思います。

基本的に文系学問は全て「主体的に思考すること」が求められますが、特に「政治学」は権力体制・社会・経済・地球環境・国際関係・イデオロギーといった非常に多様な「事象」が複雑に絡み合う“集合体”としての「政治」を研究するので、自分自身で何らかの問題意識を持って「紐を解く」ようにして研究に取り組むことが必要です。

「潰しがききそう」という理由だけで志望している学生は、入学した後で授業に興味を持つことができず、苦痛に感じるかもしれません。ただ、政治学は、特に興味が持てなくとも「頑張れば単位が取れてしまう」タイプの学問でもあります。その意味では、興味がなくとも「うまくやっていく」ことは可能です。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
政治学科は、一言で言えば「懐が広い」学問です。
数学や理系科目が好きな学生も、数学はそうでもないけれど歴史や現代文が好きな学生も、それぞれの適性を活かしながら、自分にマッチしたアプローチで「政治学」を研究できるところが魅力といって差し支えありません。加えて、4年間政治学を学ぶなかで、広い視野と知識が身につき、ものごとを総合的に考えられる力がつく学問とも言えます。その意味で、多方面の知見と柔軟な考えを持つことのできる「教養ある人間」の素質が養われるといっても過言ではありません。

少しでも興味が持てそうな人は、政治学科を選んでみてはどうでしょうか。

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この記事のライター

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たかみ

慶應義塾大学法学部に在籍している2年生かつ、底辺高校出身、元学校嫌いの意識低い系。自分の経験を踏まえてモチベーション・自己管理などの記事を発信したいと思います。また、家庭教師・個別指導のアルバイト経験を活かして受験勉強に関する情報も発信できたらと思います。

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