その勉強、必要ある?慶應理工生による受験勉強最適化論

その勉強、必要ある?慶應理工生による受験勉強最適化論

愚直に勉強するのが大嫌い、無駄な勉強はしたくない、好きな科目だけ勉強していたい。そんなワガママに応えるような、私なりの受験戦略をまとめてみました。受験勉強、さらには今後の勉強において何らかの参考になれば幸いです。

こんにちは、慶應大学理工学部の2年生です。
本日は、私が受験生時代にとっていた受験戦略を紹介します。詳しくは後で述べますが、ざっくり言うと
「得点の伸びが大きそうな科目を優先して勉強する」
というものです。

今回は

1.勉強を「量×質」で考える
2.受験勉強における1つの「前提」、そこから導かれる最適な勉強法
3.実際、何点取ればいいの?
4.つらい思いまでして勉強する意味、ある?
5.終わりに

という目次で書きます。本題は2からですが、1ではその準備段階として私の勉強論を展開します。ぜひ通して読んでください。

1.勉強を「量×質」で考える

「昨日10時間勉強したわ〜」
これは私が最も嫌っている自慢のひとつです。「すごいな〜」と頷きながら私は心の中で思うのです、「もっと短い時間でできなかったの?」と。

章題に戻ります。ここで勉強を「量×質」で考えてみましょう。量は勉強時間を、質は勉強に対する集中力を意味し、これらの(定性的な)積でその勉強の成果が測られるのです。
つまり「10時間勉強したとき」と「2倍集中して5時間勉強したとき」とで、成果は等しいのです。成果が等しいなら、「10時間勉強」するより「5時間勉強して5時間遊ぶ」ほうが賢いと思いませんか?
もちろん「2倍の集中力で10時間勉強」できればそれに越したことはありませんが、よほど気が向かないかぎり難しいでしょう。

まとめ

「成果=勉強時間×集中力」と考えると、成果を上げる方法は
・勉強時間(量)を多くする
・集中力(質)を高める
の2つあるが、後者のほうが賢い!

2.受験勉強における1つの「前提」、そこから導かれる最適な勉強法

受験とは、限られた勉強時間でなるべく高い得点を獲得することを目標としたある種の競技です。受験生は「どうすれば短期間で効率良く点数が伸ばすことができるのか?」と日々悩みながら自分なりの答えを探し、努力を続けています。この章では、この問いにひとつの答えを出します。

勉強には誰も教えてくれない「前提」が1つあります。それは

「科目、勉強進度によって点数の伸びが変わる」

ということです。受験生は限られた時間で得点を伸ばす必要があるので、これは非常に重要なことです。具体的には

①好きな科目ほど伸びやすく、嫌いな科目は伸びにくい
②高得点は伸びにくく、低得点ほど伸びやすい
(同じ10点でも90点→100点より0点→10点のほうが簡単)

の2つに分けられます。「そんなこと改めて言われなくてもわかってるよ!」と思うでしょうが、個人的に非常に大切なことだと考えているので、あえて言葉にしました。それぞれを見ていきましょう。

まずは①について。前章の内容も踏まえると、この理由は
「嫌いな科目と好きな科目とでは、発揮される集中力に(圧倒的な)差がある」
ことにあります。この差を是正するには科目に対する意識を変える必要があり、そう簡単にはできません。
この「質」の差を、多くの人は「量」でカバーしようと考えます。好きな科目より嫌いな科目を長時間勉強するのです。これが大きな問題です。嫌いな科目を、つらい思いをして勉強する。一見頑張っていて良いように思えるこの行動は、かえって勉強全体の質を下げているのです!

次に②について考えてみましょう。これは、低得点のうちは基礎を押さえるだけで容易に点数が上がること、高得点になるほど高度な知識が求められたり「その問題との相性」といった運の要素が絡んでくることが理由でしょう。

さて、繰り返しますが受験生は「短時間で高得点」を求めています。これと上で述べた「前提」を組み合わせて考えると、ひとつの答えが導かれます。それは

「全受験科目のうち、単位時間あたりの得点の伸びが大きそうな科目を優先して勉強する」

というものです。これが私の考える最適な勉強法です。

科目Aを勉強して、ある程度点数が伸びたら(伸びしろが小さくなってきたら)もっと伸びそうな科目Bを勉強、また点数が伸びたらもっと伸びそうな科目Cを・・・と繰り返すことで、実現可能な最大総合点を常にキープすることができるのです。
好きな科目が複数ある(A,B)場合は、科目A→科目B→A→B→・・・と繰り返しになることが多くなり、「好きな科目ばかり勉強していていいのだろうか」と気がかりに思うしれません。しかし心配ご無用、あなたの得点は間違いなく伸びています。

「どの科目が伸びやすいか?」という判断に迷った場合は、信頼できる教師や友人に訊いてみるとよいと思います。私はといえば、とにかく好きな科目を勉強していました。嫌いな科目よりやはり伸びやすい気がしましたし、なにより楽しかったからです。
とはいえ、あくまでもフラットな目線で自分の状況を見つめ、必要な場合は諦めて嫌いな科目も勉強しましょう。「これも自分の戦略」と思えば、意外とやる気になるものです。

上で述べた方針のもとで勉強を進めた結果、私が現役時に勉強した時間はおおよそ
数学:英語:物理:化学=5:2:2:1
という割合になりました。全勉強時間の約7割を好きな数学と英語に費やし、嫌いな化学は全体の1割ほどしか勉強していません。このおかげで、私は受験勉強をつらいと感じたことは一度もありません。つらいと感じる勉強をしなくても、しっかりと考えて勉強すれば慶應に合格できてしまうのです。

まとめ

「科目、勉強進度によって点数の伸びが変わる」こと、つまり
①好きな科目ほど伸びやすく、嫌いな科目は伸びにくい
②高得点は伸びにくく、低得点ほど伸びやすい
ことを前提とし、単位時間あたりの得点の伸びが大きそうな科目を優先して勉強していけば、実現可能な最大総合点を常にキープできる!

3.実際、何点取ればいいの?

前章では「どう点数を伸ばすか」という問いに対し、「点数が伸びやすそうな科目を優先的に勉強する」という積み上げ式の勉強法を紹介しました。しかし、この答えには少し問題があります。最終的な結果を全く見据えていないのです。いわば「時計無しで試験に挑み、とにかく解けそうな問題から解いている」という、計画も何もない状況です。もちろんこれでも合格できるでしょうが、計画を立てておくに越したことはありません。

この章では結果をベースとして「どう目標を定めるか」を述べます。結果とは受験の合否、もう少し噛み砕いて言うと「試験で何点取れたか?」です。
ズバリ、この章で述べるのは「必要な得点を科目ごとにざっくり見積もる」というものです。おそらくこれは受験生なら誰でもやっていることだと思いますが、あくまでもこの場合も「伸びやすい好きな科目を優先、嫌いな科目は必要に応じて」です。

ここで問題になるのが「何点を目標とするか」でしょう。考え方は様々あると思いますが、個人的には「第一志望群の大学であれば合否のボーダーを目標としてよい」と考えています。(もう少し上の点数が狙えるのであれば、志望校のレベルを上げるべきだと思います。)

さて、目標も定まったところでどの科目でどのくらい得点するか決めていきますが、最初に
好きな科目で得点できそうな最高点を決めてください。かなり高め(7〜8割)で構いません。本番でこの得点が取れると信じ、目標に足りないぶんを嫌いな科目に割り振りましょう。
これで「好きな科目をメインに、嫌いな科目は必要に応じて」という得点配分ができました。

これだけではわかりづらいので、現役時の私を例にして具体的にみていきましょう。なお、

受験年度:2014年
第一志望:東工大4類
滑り止め:理科大工学部
好きな科目:数学、英語
嫌いな科目:化学
(物理は普通)

とします。

東工大4類の場合

2013年までのデータを見ると、合格最低点は約400/750点でした。東工大は第一志望なので、総合400点を目標とします。まず、好きな数学と英語で得点できそうな最高点を決めます。

数学 210/300点、英語 110/150点

とします。ここまでで320点で目標まで残り80点ですが、これを物理(普通)と化学(嫌い)に割り振ります。

数学 210/300点、英語 110/150点、物理 60/150点、化学 20/150点

これが目標とする得点配分です。
「極端じゃ?」と思われるかもしれませんが、あくまでも得点の伸びやすい好きな科目を優先します。実際、私の知り合いはこのくらいの得点比で合格しています。

理科大工学部の場合

2013年までのデータを見ると、合格最低点は約180/300点でした。滑り止めの理科大は、余裕を持って総合220点を目標とします。理科大工学部は物理と化学のうち1つを選択する形式ですが、もちろん物理を選択します。数学と英語の最高点を80点とし、残りを物理に割り振ります。

数学 80/100点、英語 80/100点、物理 60/100点

これが目標とする得点配分です。滑り止めなので全体的にやや高めとなっています。

以上、第一志望と滑り止めでの得点配分例を紹介しました。ここで決めた点数は勉強進度の目安になるので、自分の好き嫌いがわかったら早めに見積もっておくとよいでしょう。

まとめ

各科目ごとに必要な得点をあらかじめ見積もっておくとよい。その際、
・志望度合いによって取るべき総合点を設定(第一志望群では合否ボーダーが適切か)
・好きな科目で取れそうな最高点を設定
・足りないぶんを嫌いな科目に割り振る
のようにし、これを目標として勉強を進める。
この得点は勉強進度の目安になるから、自分の好みがわかり次第早めに計算しておくとよい。

4.つらい思いまでして勉強する意味、ある?

これが私の受験戦略です。
「逃げている」「根性無し」「ゆとり」、どんな罵詈雑言も受けます。しかし、私には1つだけ問いたいことがあります。

「つらい思いまでして勉強する意味、ある?」

私はそんな勉強に意味はないと思っています。
「〇〇大学の☓☓研究室で□□をやり、将来は△△になりたい」「〇〇大学の☓☓先生に師事したい」のような、具体的かつ絶対的な人生の指針が特定の大学にあるのであれば、つらい思いをして勉強する意味はあります。しかしこのような人はかなり少ない印象で、「それなりの大学入っとけば就職できるっしょ」程度の意識でつらい受験勉強をしている人も多いのではないでしょうか。

つらい思いをして第一志望に合格しても、「勉強=つらい」というイメージの先には何もないと思います。
それならば、やりたい勉強をやって「勉強=楽しい」というイメージを保ったまま滑り止めにでも進学したほうがまだマシだと思います。
特に理系の学生は大学入学後もある程度の勉強を続けなければならない場合が多く、勉強に対してプラスのイメージを持っていることは非常に大事です。その状態で本当に勉強したい分野を見つけることができれば、こんなに素晴らしいことはありません。
もちろん、嫌いな勉強を続けて第一志望への合格を遂げたとしたらその根気は半端なものではないですし、今後の人生の糧になるでしょう。

努力の末の第一志望、好きな勉強だけした結果の滑り止め。前者は勝ち、後者は負けといったことは全くなく、どちらの人生も否定されるべきではありません。

5.終わりに

以上が、受験戦略を含めた私の勉強に対する考えです。
長々と述べましたが、やはり受験では少しでも楽をして第一志望に合格するのが一番だと思います。
そのための方法論として、ここで述べたことが何らかの形で役に立てば幸いです。

長文となりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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この記事のライター

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ogai

慶應理工3年です。第一志望は東工大でした。中学まで公立で、高校は埼玉の中堅私立でした。予備校には行かず部活も最後まで続けていましたが、なんとか現役で合格できました。「無理せず合格(できたらいいな)」がモットーで、嫌いな化学には"最小限の努力で最低限の点数を"という戦略をとっていました。「最低ラインで合格するには?」という目線で書いていきます。

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