早慶とMARCHの間の大きな壁、就職における絶対的な差

早慶とMARCHの間の大きな壁、就職における絶対的な差

「早慶とMARCHには差がある」とはしばしば言われてきたことです。しかし、実際のところは本当なのでしょうか?記事では、「受験」と「就活」の二つの観点から、両グループの間に存在する「差」と「壁」について考察をしていきます。

はじめに

受験生がよく疑問に思うことの一つに「早慶とMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)ってどれほど差があるんだろう…」といったことが挙げられます。受験競争を頑張る学生にとっては、どの大学も「都内の私立」で「有名」かつ「難関」。世間的に見れば、ネームバリューはどの大学も高く、受験生にとっては
「早慶とMARCHの差は、難易度の差は多少はあれど基本的にそこまで大きくないのでは」とに思えるかもしれません。実際、筆者が受験生をしていた時も、似たような考えを持って受験に臨んでいました。しかし、どうやら実際はそうでもないようです…。

早慶とMARCHの難易度の差

まずは、受験における早慶とMARCHの差を見てみましょう。
日本の大手予備校の一つである、河合塾の入試難易ランキング表(Kei-Net)によれば、
早稲田大学・文系学部入試の入学偏差値は
文:65
教育:62.5~65
国際教養:65
文化構想:65
社会科学:67.5
法:67.5
政治経済:67.5
商:65
という数値になっています。

一方で、明治大学の文系学部入試の偏差値では、
文:57.5~60
国際日本:60~62.5
法:57.5~60
政治経済:57.5~62.5
経営:60
商:60~62.5
となっています。

この例で言えば、明治と早稲田では偏差値はおそよ3~5ほど異なりますが、早稲田の教育などの「下位学部」と、明治の政治経済など「上位学部」の偏差値が拮抗しているところもあります。実際、明治の政治経済や法学部のような「上位学部」の入試は、問題そのもの難易度こそ異なるものの、細かいミスの少なさ、高い完答率、ハイレベルな記述を求めてきます。また、最近では立教の経営学部や異文化コミュニケーション学部など、人気が集中し、偏差値が上昇している学部も存在します。
その意味で言えば、受験偏差値におけるMARCHと早慶の差は埋まりつつあるのかもしれません。

早慶とMARCHの就職における差

しかし、「早慶とMARCHの壁」は、どうやら「大学に入った後」―つまり、「就職活動の場」―に現れてくるようです。つまり、「就職活動における格差」が存在するのです。
昨今では、某映像機器製造会社の新卒説明会で優秀な大学の学生のみを囲い込み、そうではない大学の学生を除けようとする「学歴フィルター」の存在が話題になりました。そしてこの「学歴フィルター」が、特に日本で一流企業・大企業とされる会社において、「早慶」と「MARCH」の間で顕著であることがしばし多くのメディアで指摘されています(特に有名なものが『週刊東洋経済』の記事です)。つまり、日本の大企業は、私大においては早稲田・慶應義塾大学のみを選別し、MARCH以下の大学を避ける傾向にあるということになります。

実際に、大学が公表している就職者の上位企業数を見てみましょう。例えば青山学院大学の全学部の「三菱東京UFJ銀行」の2014年度就職者数は、41人(男子3人:女子38人)となっています。一方で、慶應義塾大学では、同社の2014年度就職者数は155人(男子110人:女子45人)となっています。学生の母体数が違うため、就職者の数自体はそこまで重要ではありませんが、注目すべきなのは「男女比」です。青山学院では、女子の採用が圧倒的(つまり、いわゆる一般職採用の割合が高い)のに対し、慶應義塾では男子の採用が優位(つまり、総合職採用の割合が高い)ということになります。その意味で言えば、三菱東京UFJ銀行は青山学院よりも慶應義塾を優先して総合職採用を行っているということになります。

受験生がぶち当たる、早慶とMARCHの間にある壁

上に述べた内容を踏まえると、「じゃあ、どうせなら早慶を目指したらいいじゃないか」と思う受験生も多くいるかもしれません。ですが、受験生の間にも、偏差値以外にぶちあたる「壁」が2つ存在するのです。筆者としては、入試偏差値(つまり、「受験生の学力がどうだ」という問題)よりも、この「壁」の存在のほうが大きいように思えます。それは、「科目の壁」と「対策の壁」です。

科目の壁

「科目の壁」とは、言葉のとおり、早慶を受ける場合、MARCH受験に必要な科目よりも更に1~2科目が入試に課されるという「壁」です。
例えば、Marchの文科系学部では、文学部を除いては、センター利用・個別入試ともに基本的に「漢文」が出題されませんが、一方で早稲田は、学部毎にある程度出題料の差があるものの「国語総合(現代文・古文・漢文)」として問題が課されているため、早稲田志望者は何らかの対策をしなければなりません。同様に、慶應義塾では、理工学部・薬学部を除いては「小論文」(商学部では「小論文」を選択しない場合に「数学」)が必ず課されます。小論文も、慣れてしまえばそこまで負担ではない勉強なのですが、それでも受験生にとっては「重い」科目の一つです。
この意味で言えば、早慶志望の学生はMARCHのみを志望する学生に比べて大きい負担があり、その負担を背負うことができるかどうかが早慶とMARCHの「壁」となっているのです。

入試形態の壁

「入試形態の壁」というのは耳慣れない言葉かもしれませんが、言うならば「入試システム」にかかわる問題になります。
早稲田にセンター利用入試があることを除けば、基本的に早慶で、MARCHにある「全学部統一入試」という試験形態は存在しません。つまり、早慶の入試は学部ごとに一回しか行われないため、「泣いても笑っても一度きり」という形になります。MARCHの「全学部統一入試」も、問題としては難関ですが、「チャンスが2回はある」ということを考えれば心理的負担は比較的軽いものになるでしょう。

実は、この「入試形態の壁」にはもうひとつの要素が存在します。それは早慶では「入試問題が学部間でリンクすることはない」ということです。早稲田でも慶應でも、基本的に学部ごとで入試問題の傾向や質は大きく異なります。言い換えれば、「早慶の入試問題は学部ごとに分立している」と言えるでしょうMARCHも、学部ごとに問題の質が異なることはありますが、早慶のものほど明確な色分けは存在しません。また、立教大や(「G」MARCHの)学習院大は、学部ごとに問題を作るのではなく、大学全体で入試問題を作成したあとに、学部ごとの問題として割り当てるシステムを採用しているため、問題の傾向や質がリンクしていることが多いです。
受験生にとっては、問題の傾向が学部間でリンクしていたほうが、過去問対策に時間を割く量も少なく負担は少ないでしょう。その意味で言えば、早慶を志望する学生には「きっちりと学部ごとに対策を練る」必要があると言えます。

偏差値で考える狙い目の早慶学部

前段で説明したように、受験において早慶とMARCHには「2つの壁」が立ちはだかっているという点を考えると、「自分が割ける時間と労力」のバランスを考えつつ志望校の診断をする必要があります。

しかし、それでもなお、「壁」がある中で「お買い得」の早慶学部は存在します。
例えば、早稲田の所沢キャンパスのスポーツ科学部や人間科学部、早稲田キャンパスの教育学部は難易度も抑え目です。
偏差値で言うと、スポーツ科学部は60ほど、人間科学部は62.5、教育学部(初等教育学科)は60と、MARCHの上位学部とそう代わりがありません。先ほど言及した「科目の壁」「入試形態の壁」は存在するものの、早慶の中では手の届きやすい範囲にあるのではないでしょうか。
また、「科目の壁」「入試形態の壁」の視点から話をするならば、慶應商学部を是非オススメしたいです。
もちろん慶應商学部は、偏差値が62.5から67.5と高く、私立では最難関の部類に入る学部ですが、商学部の入試問題は「素直」な問題が多いです。英語は分量が多いですが、大部分がマーク式+一部記述という形で、文章の難易度もそこまで高くありません。どちらかというと、MARCHの入試的な「勉強をしていれば誰もができる問題を、ミスなく解答する」能力が求められています。日本史も、記述はありますが、他の慶應の学部よりもクセがなく、対策は比較的しやすいのではないでしょうか。また、ネックの「小論文」も商学部の場合、「0から文章を作り上げる」というより、現代文や数学のような、読解×要約×計算といったスキルが求められているという点で、対策は必要なものの「やりやすい」ものだと思います。

早稲田人間科学部と明治の政治経済学部はどちらが上か

<早慶とMARCHの就職における差>の段落などをふまえると、「MARCHよりも早慶の方が就職は良い」という風に聞こえるかもしれません。確かに、「大学名」というくくりで見るとそうかもしれません。しかし、「学部」まで踏み込んでみると――例えば偏差値的に拮抗している「明治大学政治経済学部」と「早稲田大学人間科学部」で就職先を比較してみると、実際はそうではありません。

例えば明治大学政治経済学部の2014年度就職実績では、みずほFGが16人(男子12人:女子4人)、三菱東京UFJ銀行は15人(男子8人:女子7人)と、かなり良い実績を残しています。早稲田大学人間科学部では就職実績として会社名を載せていますが、実際の就職者数は記載されていません。しかし、早稲田大人間科学部のサイトで掲載されている企業と明治大学政治経済学部のサイトで掲載されている企業で共通するものも多く、学部によっては「大学名で就職先のランクが変わる」と必ずしも言い切れない部分も大きいと言えるでしょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
情報量が多い記事になってしまいましたが、結論として一つ言えることは「大学入学後のことを考えると、早慶とMARCHでは間違いなく早慶が有利だが、早慶の最下位学部とMARCHの最上位学部で比較した場合、後者が有利な場合もありえる」ということでしょうか。もちろん、入試において「早慶の二つの壁」があることも事実ですので、受験生は今の自分の成績・志望状況を考えながら最適な選択をして欲しいと思います。

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Tutee 編集部

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