早慶法学部VS中央法学部、データから見る双方の強さとは?

早慶法学部VS中央法学部、データから見る双方の強さとは?

中央大学は、伝統的に法曹界へ優秀な人材を排出する大学として有名です。そんな中央大学の誇る「白門」は、現代の受験情勢でも変わらぬ威光を放っているのでしょうか。今回はその点について、早慶法学部を比較対象にデータを踏まえつつ分析を行ってみようと思います。

はじめに:中央大学VS早慶?

中央大学は、1885年に「英吉利法律学校」として設立されて以来、伝統的に法曹界に人材を排出する学校として高い人気を集めてきました。その実力を評して、"東大の赤門と中大の白門"というメタファーすらも存在します。「中央大学の法学部」といえば、圧倒的な看板力と優秀な人材を確保しており、揺るぎないブランドがあります。

しかし近年では、twitterでのインターネット・ミームとして、以下のような「大学ネタ」もしばし散見されます。

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出典:twitter.com

説明:twitter等で拡散される「大学ネタ」の一例です。
中央大学のキャンパス変遷をまとめつつ、「多摩にある中央大学」にまつわる「ネタ」を書いています。

このような「噂」は、実際のところはどうなのでしょうか。
「中央法学部よりも、早慶法学部の方がいい?」といった比較をする人も存在します。
今日は何かと比較されがちな早慶法学部と中央法学部の情報をまとめつつ、この「噂」について検証していきたいと思います。

三大法学部の偏差値・学費と、現役浪人比率・就職データの比較

まずは中央・早稲田・慶應義塾の法学部の比較分析を行いたいと思います。

三大法学部の偏差値・学費データ

⑴早稲田大学法学部(通称:ワセ法)は、「国語」「英語(外国語)」「地歴公民(日本史B or 世界史B or 政治経済)」の3科目による一般入試を実施しています。特に早稲田の法学部は「国語」「英語」が難関だと言われており、河合塾のデータによれば、2016年度の偏差値は67.5を維持しています。

しかし、2010年から2015年の偏差値推移を見てみると、
偏差値70→67.5→65といった形で下降傾向にあったことがわかります。

気になる学費は(入学初年度)1,242,700円となっています。うち授業料は782,000円です。

⑵慶應義塾大学法学部法律学科は、「英語(外国語)」「地歴(日本史B or 世界史B)」「小論文」の3科目による入試が実施されていますが、偏差値として換算されるのは「英語」「地歴」の2科目です。

私立の中でも難関の部類にある学部で、偏差値は70をマークしています。
しかし、2010年から2015年の推移では、偏差値は72.5→70→67.5と減少傾向にあることがわかります。

学費は初年度で1,293,350円、うち授業料は830,000円となっています。
早慶の理工学部で比較すると、早稲田よりも慶應のほうが学費が安かったりするのですが、法学部に関しては慶應のほうがやや高めです。

⑶中央大学法学部法律学科は、「国語」「英語」「地歴」(または「公民」or「数学」)の3科目あるいは4科目での入試を行っています。

3科目での(全学部)統一入試の場合、偏差値は65.0となっています。
3科目での個別学部入試の場合、偏差値は62.5となっています。
4科目での個別学部入試の場合、偏差値は57.5となっています。

こちらも、2010年から2015年までの偏差値推移を見てみると、
67.5⇒65⇒62.5と減少傾向にあります。

学費は早慶と比較して低く抑えられており、初年度で1,181,700円となっています。
うち授業料は753,700円です。

三大学部の現役・浪人比率

さらにデータを詳しく、合格者の「現役・浪人比率」に着目して分析してみましょう。


⑴早稲田大学法学部(2014年)…現役63.8%/浪人36.2%

⑵慶應義塾大学法学部(2014年)…現役54.2%/浪人43.8%

⑶中央大学法学部(2014年;3科目型)…現役60.3%/浪人37.7%

大学が発表するデータによると、実は早稲田大学法学部・中央大学法学部が現役占有率が高く、一方で
慶應義塾大学法学部が比較的「浪人」の割合が大きいことがわかります。

三大学部の就職における差

それぞれの大学が発表するデータを元に、早慶法学部と中央法学部で就職データの比較をしてみます。

早稲田大学法学部では、国家公務員一般職や東京都職員などの「公務員」職が多いですが、民間企業で見ると銀行・証券・保険といった金融業やへの就職が目立ちます。

慶應義塾大学法学部では、より大学のカラーが出ているように思えます。もちろん東京都などの「公務員」職へ進む卒業生も一定数見られますが、より商社や金融、メーカー等へ就職していく学生が多いです。

中央大学法学部は、東京都庁や国税庁など、地方・国家公務員が目立ちます。
しかし「民間企業」という括りで見ると、早慶と比較して数は少ないものの、銀行・保険などの金融業が散見されます。

上記の総括

それではここまでの情報を踏まえて、総括をしてみましょう。
基本的なトレンドとして、上記の3学部は2010年時点では最低でも偏差値67以上を維持しており、高い人気を誇っていました。しかし、ここ数年の法学部不人気により偏差値は下降傾向となっています。2016年度ではやや盛り返し、いずれの学部も偏差値がワンランク上昇しています。

しかし、やはり「早稲田・慶應大」と「中央大」の法学部には偏差値2~3ほどの開きがあります。ここについては「就職」の差があることが考えられます。当然ながら、法学部にいる学生のすべてが法曹志望なわけではなく、「潰しがきく学部」として法学部を選ぶ学生や、民間企業への就職を意識している学生が多いことを示していると言えます。

また、昨今の入試事情では「浪人回避」の潮流があります。慶應法学部では未だに浪人合格者の比率が高いものの、中央大学や早稲田大学では現役比率が上昇しつつあり、今後もこの傾向は続くでしょう。
さらに、中央大学は、後楽園キャンパスに法学部を移転する計画を発表しました。都心回帰ということで、青山学院のように偏差値が上昇することも考えられます。

このことから見ると、
★「実力の早慶」と「伝統の中央」
で二分されるように思われますが、偏差値・学費データで見ると中央大学が「お得」であるように思えます。しかし、法曹界だけでなく「民間就職」も視野に入れるならば、早慶の法学部がやはりおすすめでしょう。

法科大学院編:法曹になるなら?

では、実際に「司法試験合格率」で比較を行ってみましょう。
法曹界(弁護士・検察官・裁判官など"法の専門家"の業界)に入るためには司法試験に合格する必要があります。特例措置として、法科大学院を経由せずに受験できる「予備試験」が存在するものの、司法試験の受験資格を得るためには基本的には「法科大学院」を修了する必要があります。

要は、「法曹界への人材輩出率」を見るならば「学部」はもちろん、「法科大学院」で比較する必要があるということになります。では、それを踏まえて、最も合格者を輩出している「法科大学院」ランキングを見てみましょう。

法科大学院司法試験合格者輩出ランキング

2015年のデータによると、

              
★第1位:中央大学法科大学院   … 受験者475人中、170人が最終合格[合格率:35.8%]
★第2位:慶應義塾大学法科大学院 … 受験者347人中、158人が最終合格[合格率:45.5%]
第3位:東京大学法科大学院
★第4位:早稲田大学法科大学院  … 受験者471人中、149人が最終合格[合格率:30.8%]
第5位:京都大学法科大学院
第6位:一橋大学法科大学院
第7位:神戸大学法科大学院
第8位:明治大学法科大学院
第9位:大阪大学法科大学院
第10位:北海道大学法科大学院

という結果になりました。
学部レベルでの偏差値データ等では中央大学は早慶に「今一歩届かない」ところでしたが、
法科大学院のデータでは圧倒的な結果を残しており、「白門」の伝統は今も健在といったところでしょうか。

おわりに:双方の「強み」とは?

記事全体の内容を踏まえてみると、以下の2点の指摘をすることができます。

⑴法学部で比較してみると、中央<早慶(偏差値・就職ともに良好である)
⑵法科大学院で比較してみると、中央大法科大学院・慶應義塾法科大学院が非常に強い

その意味で言えば、「とりあえず法学部に行くけど、民間就職も考えている」という高校生であれば、中央<早慶という志望順位がよいでしょう。一方で、「絶対に弁護士になる!」と考えているような法曹志望の高校生であれば、中央でも早慶でも実績的にはそこまでの違いはないように思われます。もちろん難易度やブランドなどを重視した場合は中央<早慶となるかもしれませんが、「法曹輩出」という点では中央は強力な実力を持っています。その意味で、
★「中央法学部」⇒「中央大法科大学院」または「慶應法科大学院」または「東京大学法科大学院」
といった法曹ルートは、「学部の入学難易度」に対する「リターンの大きさ」ではトップクラスでしょう。

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たかみ

慶應義塾大学法学部に在籍している2年生かつ、底辺高校出身、元学校嫌いの意識低い系。自分の経験を踏まえてモチベーション・自己管理などの記事を発信したいと思います。また、家庭教師・個別指導のアルバイト経験を活かして受験勉強に関する情報も発信できたらと思います。

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