3時間、どう使う?東工大落ち慶應生による東工大数学で200点取る方法

3時間、どう使う?東工大落ち慶應生による東工大数学で200点取る方法

試験時間:3時間、配点:総合点の4割。東工大の入試において、数学は紛れもなく最重要科目です。そんな東工大数学の傾向と対策、おすすめの参考書などをまとめました。東工大数学を題材としてはいますが、理系数学すべてに通じる対策を述べました。東工大を含む難関大を目指す理系受験生すべてに読んでほしい記事です。

こんにちは、慶應大学理工学部の2年生です。
もう少し正確に、今回は「東工大落ち」慶應大学理工学部の2年生と言っておきます。
「そんな奴が書く東工大対策なんて信じられるか!」と思う人が多いでしょうが、数学と英語だけは合格ラインに達していた(数学は本番で208/300点でした)のでこの記事に関しては信憑性アリと思っていただければ幸いです。

さて、今回は東工大数学の特徴、対策、おすすめの参考書などを、私の体験も交えつつまとめました。
「東工大数学で200点取る方法」と銘打ってはいますが、東工大を含むすべての難関理系数学の対策に有用な情報を載せたつもりです。東工大だけでなく、難関大を目指す理系受験生は参考にしてください。

目次

・とにかく長い!東工大数学の特徴
・3時間を有意義に!高得点獲得のための対策
・これで200点獲得!おすすめの参考書、問題集
・最後に一つだけ言いたいこと

とにかく長い!東工大数学の特徴

東工大数学の特徴は以下の通りです。

①180分で大問6つ、全て記述、全得点の40%
②難問が1〜2問でその他は標準、というのが例年の流れ
③計算・思考過程が答えと同程度に重視される(採点基準となる)
④微積・極限は必出。複数の大問で取り上げられる
⑤確率、数列、図形(方程式&ベクトル)に加え、整数問題も頻出

②〜⑤は国立理系の数学全般に言えることです。
他大と大きく異なるのは①で、時間・配点ともに数学のウェイトがこんなにも大きい試験はありません!
つまり、東工大数学を攻略するカギは
『長い試験時間をいかに有効活用するか』
にあると言っていいでしょう。

3時間を有意義に!高得点獲得のための対策

以上のような特徴を踏まえ、対策を考えてみます。

解答のアウトラインを書く

試験時間180分に対して大問6つと、1問あたり平均30分かけられる計算です。難しい問題ばかりですが、十分な時間が与えられているので「これだけ時間あげたんだからちゃんとした流れで書いてね」というのが大学側の想定だと思われます。
そのためにおすすめなのが、問題用紙などに解答のアウトラインを書いておくことです。例を挙げます。

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出典:www.densu.jp

2014年前期 大問1

(1)
・「a_n=整数」を示すには「Σの項=6の倍数」を示せばよい
・3つの連続した整数には必ず2の倍数と3の倍数が含まれ、それらの積は6の倍数
→これらを足していったa_nも6の倍数
・「b_n=整数」を示すには「分子=8の倍数」を示せばよい
・nは3以上の奇数だからn=2m+1とおいて計算、8の倍数であることを示す

(2)
・計算しやすいようにa_nをΣのない形に
・a_n − b_nを計算、4の倍数であることを示す


このような感じです。今回はわかりやすいように文の形で書きましたが、試験では自分がわかるように書けばよいでしょう。

これによって自然な流れで論理が展開できますし、なにより自分の中で解答の方針が整理されます。(1)のa_nのようにアウトライン内で解けてしまうものもあり、答案を作る際非常に楽です。
また、方針が間違っていたらその時点で気づくことができます。いくら試験時間が長いとはいえ「解答途中で根本的な間違いに気づく→最初から解き直す」というのは時間的にも精神的にも大きな負担となります。
さらに、試験時間が残り少なくなってもアウトラインを参考に「これを〜〜すればよい」などの方針だけでも書いておけば+αの得点が期待できます。もらえたとしても微々たる点数だとは思いますが、0.1点で合否が分かれるのが受験です。できることはやっておきましょう。

よく言われるように「難問も基本要素の積み重ね」です。アウトラインを書くことによって、難問をいくつかの基本問題にばらすことができるのです。(1)〜(4)のような導入がついている問題と(4)だけの問題、どちらが解きやすいかと言われれば明らかですね。

例で挙げた問題は難しくないので、わざわざこれを書く意味はあまり感じられないでしょう。しかし独特の緊張感がある試験本番、微積分の長い計算の後「で、何を示せばよかったんだっけ?」と目的を忘れてしまうこともあるかもしれません。
長い試験時間を無為に過ごさないためにも、これはおすすめです。

問題の難易度を予想してから解く

また、問題を解く前に難易度を予想するのもおすすめです。
予想することで問題に対する心構えができるというメリットもありますが、それ以上に重要な意味が2つあります。

一つは、これによって「問題文を隈なく読もうとする」ということです。
試験本番では焦って重要な条件式などを見落としてしまう可能性が十分にあります。問題文の見落としは根本的なミスに繋がります。「まず難易度を予想」と決めていれば、問題文をしっかり読んだうえで解答を始めることができます。
もう一つの意味は「一歩引いた視点で問題を見る」ということです。
一つ目とも重なりますが、焦って解き始めてしまうと問題の全体像が見えなくなってしまい、的外れな解答にもなりかねません。まずは落ち着いて問題を眺め「この問題は何がしたいのか」という意図を読み取りましょう。これは数学だけでなくすべての試験に取り組むうえで非常に重要な意識だと思います。

ここで強調したいのは「難易度を予想すること自体が重要であって、予想の正確さは二の次」ということです。解き始める前に一歩引いて問題文を熟読する、それを意識的に行うための行動として「難易度を予想すること」を挙げました。

急がば回れ、試験時間はたっぷりあります。焦ってすぐに解答を始めるのではなく落ち着いて問題と向き合い、長い試験時間を上手に活用しましょう。


以上が東工大数学特有の「長い試験時間」を有意義に使うための対策でした。(もちろん他の大学でも有効だと思います。)
ここからは東工大を含む難関大理系の数学すべてに言える対策となります。

メリハリをつけて解答を書く

ここまでの2つのざっくりとした意図は「解き始める前に一旦落ち着こう」というものでした。
ここではどのように解くか、答案を作るかについて述べます。

難関大の数学では解答が長くなってしまうことが多いです。途中式などをダラダラ書くのは受験生側も大変ですし、採点する側の印象も悪くなります。
これは大学入学後に教授から聞いた本当の話ですが、
「数式ばかりの答案は読む気が失せる。言葉が多いと部分点をあげたくなる(実際あげる)」
そうです。

そこで、解答はメリハリをつけて書きましょう。以下のことを心がけるとよいと思います。

・計算が長くなる時は「計算前、特殊な変形や説明の前後、計算結果のみ」書く
・記号・文字の定義、条件など「言葉は略さない」

このようにすると解答の流れが明確になり、一気に読みやすくなります。
数式だけでなく言葉での説明もしっかり書き、「部分点をあげたくなる」解答を作りましょう。

計算力をつける

理系の数学はなんといっても計算が重いです。微積や極限はもちろん、確率や数列なども指数計算が入ると複雑になりがちです。どんなに煩雑な計算にも耐えられる計算力をつけましょう!

・・・なんていう定型文はもう見飽きているかもしれません。しかし、よく考えてみてください。模試などで間違った問題を復習をしているとき「解き方が思いつかなかった」と思うことはあっても「計算が遅かった」と反省することは少ないのではないでしょうか。
そう、頭ではわかっていても忘れてしまいがちなのが「計算力をつける」ことなんです!

計算が遅いということは、コンピュータで言えば「重い」ということ。コンピュータの場合は買い換えれば済みますが、計算力は手を動かして鍛えるほかありません。使える問題集などは次の章に譲ります。

何度も言います。計算力、本当に大切です。


以上の4つはどれも受験当時に意識してやっていたことなので、効果は少なからずあると思います。ぜひやってみてください!

これで200点獲得!おすすめの参考書、問題集

ここでは東工大数学対策におすすめの参考書、問題集を紹介します。(もちろん他大の数学対策にもおすすめです)
すべて私が受験当時に使っていたもので、どれも本当におすすめです!
これらにしっかり取り組めば、東工大数学では200点取れます。

合格る計算

まずは前章で挙げた「計算力をつける」ための問題集です。本書はいわば数Ⅲの計算ドリルです。
小学生の頃を思い返すと、苦手だった二桁同士の掛け算でも繰り返し練習すれば速くできるようになりましたね。微積の計算も同じで、何度も反復練習すれば驚くほどに速く、しかも正確に計算できるようになるんです!

本書は「積分法」「複素平面」などの8つの大きな章で構成されていて、その中に「部分積分法」「回転・縮小」といった小テーマがあります。全58テーマのうち約半分の26テーマが微分・積分に割かれていて、微積の計算練習には最適です!
また「正しい過程で」ということに重きを置いているため、類似の問題集に比べて途中式の省略も少なく解説もかなり豊富です。

数学ⅠAⅡB版もあるので、そちらも基礎固めとして使うとよいでしょう。

1対1対応の演習

受験業界では言わずと知れた「1対1」。本シリーズでは受験数学で出題される問題が全てと言っていいほど扱われていてます。「大学への数学」特有の雰囲気があり最初はとっつきにくいかもしれませんが、余程のことがない限りこのレベルでは1対1を使うことを強くお薦めします。

例題と演習問題が対応していることが書名の由来ですが、最初のうちは例題のみを解いていきましょう。間違ったら何度も解き直して、例題が完璧に解けるようになったら演習問題に取り組みましょう。演習問題まで完璧に解けるようになれば、東工大を含む各大学の過去問にも取り組めるレベルになっているはずです。

また、数学B版の最後の章では数学ⅠAⅡBの融合問題が取り上げられています。多くの難関大で出題される確率漸化式をはじめとして、この章には理系受験生が押さえておくべき問題が詰め込まれています。ぜひとも目を通してみてください!

微積分 基礎の極意

理系数学の花形といえば数Ⅲの微積と極限。東工大ではこれらの占める割合が特に大きいので、これらを乗り越えられるかどうかが合否に直結すると言っても過言ではありません。
数Ⅲの微積・極限には決まったパターンや典型問題があり、東工大を含む難関大ではそれらが応用されて出題されることも多いです。それらを押さえるのにおすすめなのが「微積分 基礎の極意」です。

本書は3つの章で構成されています。1章は計算問題で、計算力をつけるための重たい問題が並んでいます。「合格る計算」と合わせて使うとよいでしょう。2章では基本事項と裏ワザ的知識が200つほどまとめられています。この章には問題が載っていないので、暇な時などに目を通してみるとよいと思います。
最も重要なのが3章で、ここに典型問題が並んでいます。初見では解きにくいものばかりなので、1周目で解答の流れを覚えて2周目以降で実際に解いてみるとよいでしょう。何度も繰り返し解き、完璧に解けるようにしましょう。

本書をマスターすれば、微積・極限は間違いなく得点源になります!

数学 上級問題精講

上で述べた問題集を一通り解けるようになれば、東工大をはじめとする難関大の合格ラインにはまず乗るでしょう。しかし、数学を得点源にしたい人にとってはもう少し上まで行きたいところ。この問題集はそんな「もう少し」を埋めたい人に本当におすすめです!

「東大,京大,一橋大,東工大レベルの良問を精選」というキャッチコピーの通り、そのような大学で合否を分ける"ちょっと典型から外れた"問題を扱っています。解答解説も簡単すぎず詳しすぎずと、このレベルの受験生には丁度よいです。
東工大で過去に出題された問題も多く載っているので、過去問と同レベル・同傾向の問題に取り組みたい人にもよいでしょう。

この問題集を使い始めてから数カ月後の東工大模試で数学偏差値69、本番でも200点越えだったので、東工大の対策には本当にピッタリです!

最後に一つだけ言いたいこと

上で書いた特徴と対策を簡単にまとめると

・東工大の数学は長試験時間&高配点、それ以外は他の難関大理系と共通している
・解き始める前に「解答のアウトラインを書く」「難易度を予想する」などして気持ちを落ち着かせる
・数式を減らす&言葉を増やして見やすい答案を作る
・計算力が本当に大事

となります。東工大だけでなくすべての難関大数学に通じる対策なので、ぜひ参考にしてください。

私は第一志望の東工大に不合格となり、第二志望だった慶應に入学することになりました。後悔はしていませんし、学生生活はとても充実していて楽しいです。しかし、東工大に通う友人を羨ましく思っているのも事実です。
そんな私ですが、東工大を本気で目指し東工大でキャンパスライフを送りたいと思っている受験生に、最後にアドバイスしたいことが一つだけあります。それを書きまして、この記事を締めたいと思います。



数学だけじゃ合格できないから理科もがんばって!!!



最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事のライター

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ogai

慶應理工3年です。第一志望は東工大でした。中学まで公立で、高校は埼玉の中堅私立でした。予備校には行かず部活も最後まで続けていましたが、なんとか現役で合格できました。「無理せず合格(できたらいいな)」がモットーで、嫌いな化学には"最小限の努力で最低限の点数を"という戦略をとっていました。「最低ラインで合格するには?」という目線で書いていきます。

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