私立文系の数学受験ってどうなの?

私立文系の数学受験ってどうなの?

私立文系で社会ではなく数学を選択して、数学受験する人も少なからずいると思います。そこで今回は、私立文系の数学受験にフォーカスを当ててみたいと思います。

私立文系の受験型としての王道は、英語・国語・社会の3教科です。しかし、中には社会を数学に変更して、英語・国語・数学の主要3教科の受験型の人もいます。そこで今回は、私立文系の数学受験にフォーカスを当ててみたいと思います。

数学受験は有利?不利?

結論から言うと、不利です。
理由は「合格のしにくさ」にあります。この理由について掘り下げたいと思います。

まず、社会ではなく数学で受験しようと考える学生には大きく分けて4パターンあります。

①社会がどうしても出来ないので数学に切り替えた文系学生
社会ができないという理由だけで数学に切り替えている学生が多い。

②元々、社会より数学が得意な文系学生
数学が得意なので理系でも良かったが、理科が苦手だったので文系にした学生が多い。

③理系から文転した元理系学生
②とタイプ的には似ており、理系に進み、理科を勉強したができなかったために文転した学生が多い。

④理系だけど国語が得意あるいは受験科目にあるので受験する理系学生
学力上位層が多く、東大志望の学生が多い。

これら4パターンの数学受験者の中で、最も多いのは①です。そして、最も合格しにくいのが①です。

受験での競争相手を想像すると理由が分かると思います。
受験時には上記①〜④の数学受験者と「⑤英語・国語・社会の受験者」の5パターンの人で競い合うことになります。そうした場合に、英語と社会は、暗記が勉強の大部分を占めるので、コツコツと継続して勉強し続ければ誰でも高得点をとれる科目です。なので、英語と社会は合格ラインの点数を取りやすい科目です。国語は、古文や漢文に関しては暗記ベースの科目なので勉強すれば誰でも得点が取れます。そのため、現代文がずば抜けてできない限りは国語という科目では差がつきにくいです。
一方で、数学は解法暗記という部分もありますが、その暗記に至るまでに定義や公式の十分な理解が求められます。この理解のプロセスに多く時間を取られると、もっと多くの時間を必要とする暗記のプロセスに入れなくなります。さらに一定以上の思考力や数学センスが問われます。そうした場合に、4パターンの中で②③④というのは数学に触れている時間がそもそも長く、得意であったりします。すると、定義や公式の理解、解法の暗記はもちろんのこと、一定以上の思考力や数学センスが鍛えられ、合格ラインの得点を獲得する確率が高まります。しかし、数学受験の大部分を占めるのは①です。数学に触れてきた時間も少なく、②③④に比べると数学が得意でもないので、合格ラインの得点を獲得するのが困難になります。

このように、受験での競争相手を考えると、①が最も合格しにくいとご理解いただけたと思います。なので、数学受験は不利であると結論づけられます。

早稲田や慶應も!数学受験ができる私立文系学部一覧

ここでは数学受験ができる私立文系学部を一覧で見ていきたいと思います。数学受験できる主な私立文系学部は以下のようになっています。大学ごとにまとめて記載しました。
(ただし、全学部入試は除いています)

●早稲田:政治経済・商学・社会科学・人間科学・スポーツ科学・国際教養(6学部)
●慶應:経済・商・総合政策・環境情報(4学部)

●上智:文・総合人間科学・法・経済・外国語(5学部)
●東京理科:経営(1学部)

●明治:商・政治経済・経営・情報コミュニケーション・総合数理(5学部)
●青山学院:経済・法・経営・国際政治経済・総合文化政策・社会情報・地球社会共生(7学部)
●立教:経済・経営・社会・法・観光・コミュニティ福祉・現代心理(7学部)
●中央:法・経済・商・文・総合政策(5学部)
●法政:法・文・経営・国際文化・人間環境・キャリアデザイン・経済・社会・現代福祉・スポーツ健康
   (10学部)
●学習院:法・経済・文・国際社会科学(4学部)

●関西:法・文・経済・商・社会・政策創造・外国語・人間健康・総合情報・社会安全(10学部)
●関西学院:神・文・社会・法・経済・商・人間福祉・国際・教育・総合政策(10学部)
●同志社:神・文・社会・法・経済・商・政策・文化情報・スポーツ健康科学・心理・グローバルコミュニケーション・グローバル地域文化(12学部)
●立命館:法・国際関係・文・映像・経済・経営・政策科学・総合心理(8学部)

●南山:人文・外国語・経済・経営・法・総合政策(6学部)
●西南学院:神・文・商・経済・法・人間科学・国際文化(7学部)

●津田塾:学芸(1学部)
●東京女子:現代教養(1学部)
●日本女子:家政・人間社会(2学部)

●日本:法・文理・経済・商・国際関係・危機管理・スポーツ科学(7学部)
●東洋:文・経済・経営・法・社会・国際地域・ライフデザイン・食環境科学・社会情報(9学部)
●駒澤:文・経済・法・経営・仏教・グローバルメディアスタディーズ(6学部)
●専修:法・経営・商・文・経済・人間科学・ネットワーク情報(7学部)

一覧を見ると、各大学の主要学部で数学受験できるようです。
ただ、法学部や文学部では数学受験できない大学があります。例えば、早慶や明治などです。一方で、経済学部や商学部、経営学部などといった入学後に数学を必要とする学部ではどこも数学受験可能なようです。

経済学部や商学部に入ってからの「数学」

ここまで、数学受験は不利だと言ってきましたが良いこともあります。
それは入学後です。

経済学部や商学部では、統計学、ミクロ経済学、マクロ経済学といった科目が必修授業ないしは選択授業に入っているはずです。それら授業では、確実に数学知識が必要になってきます。つまり数学知識がないと全く理解できないと言えます。また、ゼミ選択の際に、教授の指導が丁寧、就職に有利といった「良ゼミ」「エリートゼミ」に入るには、上記授業をしっかり理解できる数学知識がない人は入れないということもあります。ここまでのことを踏まえると、経済学部や商学部において、数学受験は受験時には不利ですが、入学後には有利に働くこと場面が多いようです。

ちなみに、数学受験ではない人向けの補習のようなものが行われる大学も多く、社会受験の人でも授業にはついていけるようになっているはずです。しかし、やはり数学受験した人には劣ってしまう部分があったり、課題が分からず四苦八苦するということも多いようなので、絶対に大丈夫とは言い切れません。

文系の数学受験生におすすめの参考書・問題集

最後に、数学受験者をする方にオススメの参考書・問題集を挙げます。

黄チャート

対象:MARCH以下志望の人、MARCHや早慶レベルを目指すけど青チャートは少し難しい人
到達レベル:受験基礎レベル

網羅型の参考書・問題集です。全分野の頻出問題が網羅的に載っているので、全ての問題を解くのには時間がかかります。ただし、全ての問題を解けるようにすると受験基礎レベルの問題が解けるようになります。MARCH以下志望の場合は、この参考書・問題集と各大学の過去問だけで十分合格点が取れます。黄チャートの詳細な活用方法については下記の記事を参考にしてください。

青チャート

対象:MARCH、早慶レベルを目指す人
到達レベル:受験基礎レベル、受験応用レベル

黄チャートより少し難しい網羅型の参考書・問題集です。黄チャート同様に網羅的に頻出問題が載っており、青チャートの問題を全て解けるようにするだけで受験基礎・受験応用レベルの問題が解けるようになります。MARCH志望の場合は、この参考書・問題集と各大学の過去問だけで十分合格点が取れます。早慶志望の人は全て解けるようにした後、文系数学のプラチカをやることをオススメします。青チャートの詳細な活用方法については下記の記事を参考にしてください。

1対1対応の演習

対象:早慶レベルを目指す人、数学が得意な人、青チャートをやっている時間がない人
到達レベル:受験基礎レベル・受験応用レベル

これまであげた黄チャート、青チャートより難しい問題集です。このシリーズは数学Ⅰ、数学Ⅱのように、単元ごとに分かれており、I/A/Ⅱ/Bの4単元全てをやることをオススメします。厚い問題集ではないですが、内容は濃く、受験での頻出問題を掲載しています。全単元の問題を全て解けるようにするだけで受験基礎・受験応用レベルの問題が解けるようになります。青チャート同様に、MARCH志望の場合はこの問題集と各大学の過去問だけで十分合格点が取れます。早慶志望の人は全て解けるようにした後、文系数学のプラチカを次にやることをオススメします。「1対1対応の演習」の詳細な活用方法については下記の記事を参考にしてください。

文系数学の良問プラチカ ― 数学IA・IIB

対象:早慶レベルを目指す人、数学が得意な人
到達レベル:受験応用レベル・受験上級レベル

合否をわけるような問題や差をつけられる問題が多く載っている問題集です。また、問題集と解答集がほとんど同じ厚さで、丁寧な解説があることもこの問題集の大きな特徴です。問題を全て解けるようにするだけで受験応用・受験上級レベルの問題が解けるようになります。この問題集を全て解けるようにした後は、各大学の過去問で志望校対策を行い、合格点を取りましょう。

まとめ

いかかでしたでしょうか?社会が苦手だから数学にしよう。このように思って数学受験にしようと考えている人。少し立ち止まってもう一度じっくり考えてみてください。これまで述べてきたように私立文系の数学受験は一般的には不利なので、オススメしません。ただ、理系ぐらい数学ができる!という方にとっては社会で受験するよりも、受験時も入学後も有利だと思います。自分がどれだけ数学が得意なのかしっかり見極めてから、科目選択することをオススメします!

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se-ya

東京工業大学大学院修士2年です。最適化や統計学といったことを勉強しています。映像授業の予備校で4年間チューターとして高校生に受験指導してきました。その時の経験から、勉強の仕方や受験校選び、モチベーション管理など広くお伝えできればと思います。少しでも参考になることがあれば幸いです。

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